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『二つの世界大戦』レビュー

こんばんは、シタン先生です。

今回は、第一次~第二次世界大戦頃の世界を勉強する時の入門書として、木村靖二氏の『二つの世界大戦』を簡単にレビューします。

では、いってみましょう。

木村靖二『二つの世界大戦』山川出版社(世界史リブレット47)1996年


<本書の目的>
 第一次世界大戦そして第二次世界大戦はその後の世界の形成と動向を大きく規定してきた。この二つの世界大戦が起こった時代を「世界戦争の時代」ということができるだろう。具体的にはイギリスのチャーチルは両大戦を一続きのものとして捉え(「もう一つの三十年戦争」)、歴史家ホブズボームの戦争観は、この考え方をさらに発展させた(※1)。このような、新たな視点を踏まえつつ、開戦へと至る過程と大戦の構造、それによる政治、社会、人々の繋がりや考え方の変容について、両大戦それぞれについて検討を加える。

(※1)
第一次世界大戦の始まる1914年からソ連が解体した1990年までを一つの時代、「短い20世紀」と呼び、その中で両大戦時代を「破局の時期」と位置づけ、両大戦がこの「短い20世紀」を作り出したと見る考え方。先に挙げた30年戦争観よりも、前後の時代との連関、20世紀の中で位置づけを明確にしているだけに、射程の長い、鋭い洞察になっている。


<本章の内容>
第1章「1914年のヨーロッパ」では、経済発展に伴い国民から経済的利益の配分・政治参加の要求が高まるにつれて、列強としての地位を維持し順調に経済発展するという事に悲観的になり、この閉塞感が危機勃発時の選択肢を狭める(強硬論や国粋運動)ことを示している。

第2章「第一次世界大戦の推移」では、第一次世界大戦のきっかけを示した上で、大戦の経過について「戦争の展開、政・軍関係、戦争目的、戦時外交、戦時体制」といった項目毎にその特徴をまとめている。そして、戦争終結のビジョンを描けない両陣営(同盟国・連合国)の中で起こったロシア革命と、それが彼らに与えた衝撃、さらにはロシア革命の拡大を警戒した列強が、従来の列強の論理を越える原理(新たな国際秩序)を示していく様子が描かれる。

第3章「総力戦と社会」では、第一次世界大戦において登場した「総力戦」という概念について、ドイツにおける社会変動を例にとりつつ検討している。福祉国家を望んだ国民、国家の防衛戦争論・プロパガンダ活動によって再考されるイデオロギー概念、さらには戦時経済という特殊状況の中で、社会的格差や対立が深まりながらも、共通して「国への帰属意識」を強める様子が示される。

第4章「両大戦間期の世界」では、第一次世界大戦とその後の新たな国際秩序が、戦間期の国際社会に与えた影響について、国・地域別に述べられている。そして、さらには世界恐慌が国際秩序に与えた影響、その後のファシズム諸国の台頭の様子にも言及される。
※筆者の立場上(筆者は、第一次世界大戦と第二次世界大戦を一続きのものとして捉える)、戦間期の扱いは重要になるという点で、本書における中核的な位置づけが与えられるだろう。

第5章「第二次世界大戦の推移」では、第二次世界大戦の具体的推移について、主にファシズム諸国の状況を中心に述べられている。とりわけ、第一次世界大戦との違いとして、総力戦体制下で軍事・非軍事の区別がより曖昧になった点、ファシズム諸国の閉鎖的国民国家・民族的同質性の強調によって、国民がある種の運命共同体に取り込まれていく様子が描かれる。

第6章「第二次世界大戦の複合的構造」では、大戦の持つ複合的・重層的構造を説明し、最後に<本書の目的>に対する筆者の解答が提示される。


<シタン先生の感想>
 基礎的知識を学ぶという意味では有益な本であるが、二つの世界大戦が「三十年戦争」として一貫している点を実証できたとは言い難い。また、筆者の問題意識が、基礎的知識の理解を妨げる危険もあるのではないだろうか。まずは「経済的・国内的問題」があり、その上で戦争論が生まれ、戦争を正当化するイデオロギーが形成、そして戦争を終結させるために新たな国際秩序を提示し、既存の国際秩序を乗り越えていく様子が全体を通じて描かれているとの印象を持った。


今回のレビューは、これで終了です。
分量的にはそう多くないので、少々難しいとは言ってもやはり読みやすいと思いますよ(*´ー`)


今回も読んで下さりありがとうございました☆それでは♪


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二つの世界大戦
二つの世界大戦
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木村 靖二
山川出版社 (1996/09)
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テーマ : 歴史
ジャンル : 政治・経済

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