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『社会主義の世紀』レビュー(その1)

こんばんは。シタン先生です。

『現代政治学(新版)』レビューも終わり、いよいよ次の基本書をレビューすることになりました。

自分の中でここは、やはり政治史関係を勉強しようという結論に至ったので、今回から『終わらない20世紀』のレビューを再開します。また、並行して『社会主義の世紀』も少しだけレビューしようと考えています。

ということで、今回は『社会主義の世紀』第4章のレビューです。

心機一転頑張りますか!!

それでは、いってみましょう。


熊野直樹・星野治彦[編]『社会主義の世紀-「解放」の夢にツカれた人たち-』法律文化社 2004年

第4章「反ファシズム人民戦線という『希望』-ミュンツェンベルグと『マドリードの戦う顔を持つ新しい共和国』-」

<本章の課題>
 ヨーロッパ全域でナチズムと闘い、ひいてはコミュニズムに対しても闘いを挑んだコミュニストであるミュンツェンベルグの人物像・彼の革命論の射程を追う。


<本章の要約>
 ミュンツェンベルグは、急進的青年労働運動の指導者としてレーニンなどとも行動を共にした。また、彼の多才さは数々の国際組織の設立などに表れているが、ドイツにナチズムが登場してからは反ナチズムの国際組織を作り、犬猿の仲だった社会主義者と共産主義者を結びつけ「反ファシズム統一戦線」を作る中心的な役割を果たした。しかし、次第に民主主義に対する評価を上げた彼は、最終的にスターリン主義と決裂した。

 ヨーロッパ規模で反戦・反ファッショ運動を展開(アムステルダムープエリエル運動)し、社会主義者と共産主義者の間を取り持つべく尽力したのがミュンツェンベルグである。また、ドイツにおける国会放火事件の際には、反ヒトラーのプロパガンダを大々的に展開。さらに、ナチスドイツによる裁判が行われる前に、いち早くイギリスで対抗裁判を実施することにより、ナチスドイツの機先を制する事に成功した。

 ミュンツェンベルグは、スペインに反ファシズム人民戦線政府を設立する。この成功は、彼に故郷であるドイツにおける「人民戦線」の設立という新たな希望をもたらした。その際、ナチス亡き後のドイツの未来像として彼がイメージしていたのが「民主人民共和国」である。このことから、ミュンツェンベルグが西欧の民主主義を評価していたことが分かる。それと共に、旧来の国家社会主義、すなわちスターリン主義からは距離を置くようになった。

 ミュンツェンベルグはその多才さにより、その他の地域ではうまくいかなかった社会主義者と共産主義者の接着剤の役割を果たしていく。そして、ついに「ドイツ人民戦線委員会」が完成するが、その内部では共産党同士の対立が始まっていた。共産党のウルブリヒトは人民戦線をナチス打倒のための戦術的にしか捉えていなかったが、同じ共産党でもミュンツェンベルグは、人民戦線そのものが目的そのものと戦略的に位置づけた。時代はミュンツェンベルグに味方したが、卑劣なウルブリヒト派の工作によってミュンツェンベルグは人民戦線活動から離れることになる。

 社会主義内部における、人民戦線的民主主義的社会主義とソ連型国家主義的社会主義の対立は激しくなるばかりであった。その最中、ミュンツェンベルグはモスクワに呼ばれ、しばらくとどまるように言われるが、身の危険を感じてか彼はそれを断り続け、結果、党を除名される。当初ミュンツェンベルグは、それでもソ連が社会主義の手本だという考えを持っていた。しかし、独ソ不可侵条約締結という手ひどい裏切りを受けたミュンツェンベルグは、最終的にスターリンを糾弾、スターリン主義と決別した。

 ミュンツェンベルグは、現実的な選択の中で、あくまで理想を追求しようとした数少ないコミュニストである。


<シタン先生の問題意識>
・ミュンツェンベルグに対する論者の価値観が前面に出ており読みにくかった。
・ナチズム(ファシズム)とソ連型国家主義的社会主義の違いは何か。現在では、両者は「全体主義」という観点で見た場合同一視されることが多い。
・人民戦線を戦術的に捉えるとはどういうことか。また、人民戦線そのものを目的視し戦略的に位置づけるとはどういうことか。



次回も頑張ってレビューします!!


今回も読んで下さり、本当にありがとうございました☆それでは♪


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社会主義の世紀―「解放」の夢にツカれた人たち
熊野 直樹 星乃 治彦
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テーマ : 歴史
ジャンル : 政治・経済

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初めましてデス

 FC2ランキング1位のブログなので、ちょっと気になって覗いてみましたw(ちなみに、私のブログは9位)

 私は、現在、学者を目指している人間で、社会学修士号を取得しています。。。

 政治学は専門外ですが、ちょっと勉強してみたいなと思っていたので、政治学の解説ブログはまさにうってつけです♪

 これから、ここで政治学を学ばせてもらおうと思うので、よろしくお願いします。。。(^^

初めまして!!

>FC2ランキング1位のブログなので、ちょっと気になって覗いてみましたw(ちなみに、私のブログは9位)

私のブログはよく、順位も落ちますよ(苦笑)Jun♪さんのブログも覗かせて頂きます☆

>私は、現在、学者を目指している人間で、社会学修士号を取得しています。。。
>政治学は専門外ですが、ちょっと勉強してみたいなと思っていたので、政治学の解説ブログはまさにうってつけです♪

すごいですね!!わたしの、目標とも言えます!!私なんかよりもよっぽど政治学(現実政治)への造詣は深いのではないでしょうか!?
 私が記事(とりわけ政治系読書レビュー)を書くスタンスとしては、
①自分の院試対策として、政治関係書籍の読書ノート(自分の勉強ノート)を作る。
②そこから得られた、理論・問題意識をもとに今現在の政治状況を考える。
③分かりやすい文章、分かりにくい文章、論理の整合性や矛盾を考える。
を心掛けています。それが実行できているかというと、まだまだなのですが(汗)

一学部生のする事なので、問題点なども多々あるでしょうが、暖かく見守って下さい。ではでは、よろしくおねがいしますm(_ _)m
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