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『現代政治学(新版)』レビュー(その9)

おはようございます。シタン先生です。

最近、筆が進みます♪

というのも、『現代政治学(新版)』レビュー(その8)と今回レビューする(その9)は、以前、別な場所でレビューをしたことがあったので。

ありがとう、過去の自分(マテ

もちろん、前回のレビュー時と今回のレビュー時では、理解について変化があるので修正は加えています。そうしないと「知的怠慢」って怒られてしまいますからね(苦笑)

今日は、再び『現代政治学(新版)』レビューを行います。今回は第9章です。
国際政治が日々動く中で、「いよいよ来ましたか」というテーマです(笑)

では、いってみましょう。

加茂・大西・石田・伊藤著『現代政治学(新版)』有斐閣アルマ 1998年

第9章「近代の国際政治と現代の国際政治」

<本章の紹介>
近代までの国際体系(ウェストファリア・システム)を概観し、それがいかなる形で崩壊したか、そしてその上でできあがった現代の国際秩序、ひいては今後の国際秩序について考える。

<語句の説明>
近代の国際体系:ウエストファリア・システム(Westphalia System)<近代最初の大戦争と呼ばれる三十年戦争(1618-48)を終結させたウェストファリア条約(1648年)にちなんだ呼び方>
[特質]
①国際体系における唯一の主要な行動主体(actors)<=独立した自律的意思決定を行うことができる>は、諸国家(states)である:国民国家体系(nation-state system)(国家体系(state system))
②国際体系はアナーキー(anarchy)の状態である
→a.国際社会全体に通用する普遍的正義がない
 b.国家を超越する統一的な強制装置(暴力装置)がない

そのようなシステムの下で行われた、近代の国際政治には以下のような特質がある。
①国際政治(international politics)=「国家間政治」(interstate politics)
∵唯一のアクターだから
②各国とも最大の目標として追求したのは自国の安全(security)
∵アナーキーの状態では自国の存在の保障が外からは与えられないので、存在自体に価値を持たせる他なかった
<国際社会一般に通用する普遍的正義がないので、どの国も国際社会において存在するべきというコンセンサスが得られなかった。そこで、各国とも自国の存在の正当化という考え方から離れ、自国の存在を無前提に認め、それ自体に市場の価値があるという考え方をとった>
→現代に言う「国家の安全」(「国家安全保障」)(national security)
③近代の国際政治で最も有効な手段は、武力(force)
∵普遍的正義がなく、一元的な暴力装置がない→自分で自分の身を守るしかなかった

ウエストファリア体制における国際秩序の主な方法:バランス・オブ・パワー(balance of power、勢力均衡)
→あくまでも、主目的は自国の安全
※しかし、第1次大戦、第2次大戦を経て、集団安全保障(collective security)という考え方が定着した。ただし、集団安全保障を実行力たらしめるはずの国連軍は今日まで設置されていない。

<シタン先生の問題意識>
 やはり、問題の一つは「国連軍」が未だに設置されていないことにあると思います。それを妨げているものは何なのでしょう。集団安全保障に移行したならば、「国連軍」もたやすくできると考えるのは早計なのでしょうか。これらの問題も検討すると面白そうですね。



ウエストファリア体制下の唯一の行動主体であった国家。しかし、
①様々な分野における相互浸透
②国際社会における、国家以外の行動主体の台頭
具体例:政府間組織(international organaization)<国際組織>(例:国際連合)、トランスナショナルな組織(transnational organaization)(例:多国籍企業※、NGO)、超国家組織(supernational organaization)(例:EU)
等の新たな主体の出現によって、現在ではウエストファリア体制はほぼ崩壊しつつある。
※多国籍企業(transnational corpolation,multinational corpolation)

このような変化の結果、現代の国際政治は次のような特質を持つ。
①主体の多様化による、国際政治が展開される場も多様になった
②重要な争点が、安全の問題に限らなくなった
∵それぞれの主体が、志向する目標が異なっているため
③安全以外の目標(例えば経済成長)を達成するためには、武力が必須というわけではなくなった
(例:日本<経済力>、北欧<軍縮や発展途上国への援助>)
∵①、②に関連。国際政治における発言力などを見ても、必ずしも武力の差が発言力の差に繋がらなくなった

<シタン先生の問題意識>
 ウェストファリア・システムで現在残っているのは、「国家安全保障」だろう。
 個人的には、本章の議論には賛成しかねる部分がある。例えば、経済であるがこれはもはや国家の安全を脅かすものになりつつある。従って、経済の問題においても結局軍事力がものを言う場合もありえるのではないか。例えば、イラク戦争を考えた場合も、アメリカによる石油戦略という位置づけをされる場合もある。



冷戦体制:冷戦(cold war)を戦うために整えられた体制
①東西対立:NATO(北大西洋条約機構)、ワルシャワ条約機構、<非同盟諸国>
→両陣営間のヒト・モノ・カネ・情報の流れを厳しく制限
②東西各陣営内における米ソの覇権体制=米ソは各陣営内にコントロールを及ぼした
③東西各陣営に属する諸国内での統制と対立の体制=「国内冷戦」、米ソによる代理戦争
※これらは、一見するとウエストファリア体制にも見える(米ソ間の対立のように)。しかし、対立はあくまでも国家間ではなく東西間である点、双方がイデオロギー的正当性を主張した点など、明らかにウエストファリア体制とは異なる点があった

1947年、「トリーマン・ドクトリン」の中で「封じ込め」政策が発表されたことをきっかけに冷戦が起こった。
その理由としては、
①東西のイデオロギー対立
②米ソの勢力圏争い
③米ソ互いの意図の読み違い(とそれに対する相手国の過剰反応)
等が挙げられる。

しかし、社会主義体制・イデオロギーへの幻滅や、世界の世論、支配体制に対する不満などで冷戦体制はソ連と多くの社会主義国の崩壊と言う形で終焉した。しかし、冷戦の終焉は新たな国際秩序という課題を突きつける。その中でも、大きな転機となったのが9.11以降のテロに対する取り組みである。このテロ対策では、単独もしくは複数国が国連の決定を経ずに行う「人道的介入」が増えてきた。これは、国際社会に一元的な強制力が存在しないという「穴」が引き起こした現象とも言える。今後国際社会の安全を脅かすであろう、民族紛争やテロを前に、国家の安全よりも個々の人間の安全を保障するような世界秩序が必要であろう。そのためには、軍事的脅威のみならず、貧富の差や環境問題といった根本的な問題にも取り組む必要がある。

<シタン先生の問題意識>
 冷戦の開始時期にも疑問点はあります。しかし、それ以上に「③米ソ互いの意図の読み違い(とそれに対する相手国の過剰反応)」については検討の余地があるでしょう(詳しくは、7月16日の記事「レトリックの冷戦?」を参考にして下さい)。



今回は勉強し直すのも楽しかった章でした。国際社会がこれからどうなるかを考えるに当たって、それまでの歴史を理論づけて押えると言うことは有益だと思ったんです。少なくとも無駄ではないでしょう(苦笑)とか言いつつ、まだ私自身、現在の国際社会について、何か意見を確立できているかというとまだまだできていません…。これからも、日々精進です!

また、同じ本でも二度、三度と読んでいくと、その度に自分が変化していることに気づきます。
例えば、「この前の自分は、何でこの部分に『?』マークをつけたんだろう?」とか(笑)
逆も然りです。前回分かっていたはずの記述が、分からなくなっていたり…

実は、単なる物忘れだったりして(マテマテ


今日も読んで下さってありがとうございました☆それでは♪


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