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『現代政治学(新版)』レビュー(その7)

こんにちは。シタン先生です。

九州南部では記録的な豪雨だそうです。ニュースを見ていたら、「民家の1階が完全に水没」「商店街が川になる」「橋にものすごい勢いで迫る濁流」などのとんでもない映像を目にしました。・・・大丈夫でしょうか?そちらにお住まいの方がいらしたらくれぐれもご注意下さい。どうやら、今年も異常気象ですね~。

国内情勢で注目すべき点は、やはり「福田氏総裁選辞退」でしょうか。テレビでも言われていることですが、私も、彼が「旗色が悪くなって逃げた」と思わざるを得ませんでした。この点に関しては、本ブログを御覧になっている皆さんも思うところがあるでしょうから、これ以上は書きませんが、これについて何かコメントがある場合は、遠慮なくコメント欄に書き込んで下さい☆

今日は、『現代政治学(新版)』第7章をレビューします。

それでは、いってみましょう。


加茂・大西・石田・伊藤著『現代政治学(新版)』有斐閣アルマ 1998年

第7章「政治意識と政治文化」

<コメント>
いささか、苦手意識がある分野。「政治意識」と「個人的イデオロギー」と「個人の意思」の分類は非常に難解。とりわけアーモンドによる政治意識の分類は、かなりの強者です。当初は図でも書こうかと思ったんですが(教科書の図は意味が分からなかったので)、やっぱ無理でした。今回も前回に引き続きパッとしないレビューになりそうです…。

<語句の説明>
政治意識(Political consciousness):「政治的なことがらに対する心理的な態度や意見あるいは選好を表す概念」
→「政治に対する個々人の主観からのアプローチ」
(例:政治体制の支持・不支持、現政権の支持・不支持、支持政党、政治争点に対する評価…)

【政治的パーソナリティーの分析】
ラスウェル:「権力追求者は価値剥奪に対する補完の一手段として、権力を追求する」「自我に対する低い評価にうち克とうとする場合に権力が期待されるのである」
※フロイトの精神病理学を政治学に導入し、政治的人間の精神分析を試みたラスウェルは、「政治行動を支配しているものは、幼少期に形成された無意識によるところが大きいと考えている」
※フロムは、ナチズムの心理的基盤としてのドイツ人の権威主義的性格を指摘。アドルノは加えて、分析方法を面接・アンケート調査と結びつけ、より実証的な形で「権威主義的パーソナリティー分析」を試みた
→しかし、心理や無意識はなかなか検証できない、政治行動は単一の心理構造に動かされるわけではないという問題があった。それゆえ、現在では、世論調査や投票行動を分析することで政治意識を分析するのが主流となる

政治的社会化(political socializaton):「個人が政治について学び、政治の志向性や選好を決定する過程」
→この過程で最も影響を与えるのは、第一次集団(両親、家族、友人)であり、次いで第二次集団(地域、職場、宗教)

市民社会(19世紀までの西欧社会):「財産と教養を持った理性ある中産階級(市民)を主体とした社会」
大衆(mass):財産を持たず、マスコミュニケーションの結果、自律的思考が弱められ画一的・非合理的な考え方をするようになった労働者
→情緒的・受動的、シンボルなどに操作されやすい
大衆民主主義:選挙権の拡大によって、大衆が政治に参加する状態
→ファシズムの社会的基盤、政治過程に過剰な要求を持ち込む原因とも言われる。その一方で、政治的無関心、政治不信ひいては民主主義そのものの弱体化にも繋がると考えられた
※リースマン、ハーバマスの研究

参加型民主主義:政治社会だけではなく、地域や職場での直接的な参加のチャンネルを拡大
ペイトマン「選択領域への参加によって個人は公共領域と私的領域の連関状況をよりよく理解することができるようになる」

【イングルハートの「静かなる革命」】
先進国政治社会の根底で進む、物質的価値から脱物質的価値(環境・安全・公正・自己実現)への価値志向の変化

<シタン先生の問題意識>
 参加型民主主義は政治的無関心や政治的疎外感の拡大に歯止めをかけ、私たちの政治的有効感を高める方法という位置づけをされている。そしてそれは、参加のチャンネルの豊富さが個々人の判断力を高めるからであるとする。確かにその方法をとれば、我々に関連するとことでの判断力は向上するだろう。しかし、それが政治意識の向上につながるのだろうか?そもそも、私は「政治に関心がないのは、政治が我々の政治に関連しているという意識が薄いから」という立場に立っているが、その前提からするとペイトマンの議論(※本書の記述部分で)がそのような結論をもたらすようには思えない。職場や地域はまだ、我々の生活に直接的な関わりを持つ。一方では、消費税など我々の生活に関わる(ということが、一見明白に分かる)部分では、国民世論は敏感に反応するのである。



政治文化(political culture):「ある組織や領域の中でパターン化された政治意識や行動のタイプ」
※アーモンドの定義は「ある時代に国民の間に広く見られる政治についての態度、信念、感情の志向」

【政治文化への思想史的アプローチ】
M.ウェーバー:プロテスタントとカトリックの教義の違いがその国の経済的特性や政治文化を規定している
丸山眞男:日本の軍国主義の精神をえぐり出し「既成事実への屈服」「権限への逃避」「無責任の体系」と総括
※加えて彼は、これが、戦後日本の民主化の課題であるとする

【政治文化への実証主義的アプローチ~行動論政治学~】
“アーモンドの「市民文化」研究”
政治文化:「政治システムの構成員の中で政治へと向けられる個人的な態度及び志向のパターン」
※アーモンドは、個人の政治に対する心理的な志向を
「認知的志向」…「政治システムとそれを占有する者、および政治システムのインプットとアウトプットについての知識と信条」
「感情的志向」…「政治システムやそのパフォーマンスに対する好悪の感情」
「評価的志向」…「政治的対象に対する判断と意見」
と区分。次にこれらの政治的志向が向けられる対象を、
①一般的政治システム…「一つのまとまりをもつ政治体全体」
②自己…「個人の政治的義務や政治的システムとの競合の感覚」
③システムへインプットに対する志向
④公共政策といったシステムからのアウトプットに対する志向

その上で、アーモンドは政治文化の基本的なタイプを類型化する。
1.未分化型政治文化(4対象のいずれにも向けられていないタイプ)…専門化された政治的役割なし。政治的志向は宗教的志向や社会的志向に拘束される
2.臣民型政治文化(政治システムとアウトプットのみ)…政府の権威と行政的アウトプットに対する志向は高いものの、自らインプット・政治参加という意識は薄い
3.参加型政治文化(4対象すべてに向けられる)…「政治システム全体と政治・行政の構造と過程、ならびに参加者としての自己の役割への志向が高い」

【パットナムによる社会資本研究】
社会資本:「調整された諸活動を活発することによって社会の効率性を改善できる、信頼、規範、ネットワークといった社会組織の特徴」
(例:「人間関係が垂直的ではなく水平的な関係にあり、メンバー間の信頼の高いコミュニティーでは、地方政府の業績が良くなるといった分析がなされているのである」)
→「1980年代以降に登場してきた新制度論など、新しい政治分析の手法を念頭におきながら、政治文化が制度に及ぼす影響を新たに研究したもの」
※「アーモンドらの研究では、政治文化はある国においてほとんど普遍的と考えられていた。これに対してパットナムの社会資本概念は、歴史の中で形成されつつも、可変的なものであり、制度との相互作用の中で変化すると考えられている」

<シタン先生の声>
 全体的にアーモンドの研究が理解しにくかった。とりわけ、アーモンドによる「政治文化の基本的なタイプの類型化」において、「~的志向」という区分方法はいかされていないのではないか。「~的志向」による区分の位置づけが分かりにくかった。また、「①一般的政治システム」の意味が理解できなかった。
 パットナムによる社会資本研究であるが、「社会資本」の定義そのもの、そして「社会資本」と政治文化に如何なる関連性があるのかが理解できなかった。少なくとも本文中の例示のみでは、理解に苦しむ。本書では「制度との相互作用の中で変化する」と説明されているが、制度のことは本書中に全く言及されていない。



【イデオロギーの定義の色々】
「ある集団や多くの人々に共有されている意識、信条、思想」
「あらゆる学問の基礎となる観念の学(トラシー)」
「上部構造に属する社会的意識形態(マルクス)」
「階級によって拘束された意識だけではなく、あらゆる社会集団や社会的条件によって制約された思想(マンハイム)」
→意識の存在被拘束性
「個人のもつ信念体系」
→アメリカの政治学者が主張するが、これを貫くと「個人の政治意識」との境界がなくなる

※類似概念
イドラ(ベーコン):人間の知性を縛る誤った非合理的概念

【イデオロギー対立】
冷戦時代:資本主義(自由主義) 対 社会主義(共産主義)という大きなイデオロギー対立の時代
「文明の衝突(ハンティントン)」:各国の個性的な文化の対立

<シタン先生の問題意識>
 この点に関しては、本書の議論にも納得できた。イデオロギーもさまざまな定義がなされるということを知ることができたのは非常に有意義。ただし、マンハイムのイデオロギー定義が、「意識の存在被拘束性」と如何に繋がるのかが分からなかった。ハンティントンの著書はいつか読まなければならない。



やはり、今回は非常に難しい章でした。もう、3~4回ほど通読しているのですが、半分理解できているかどうか…。それでも、前回よりはアーモンド理解などで前進した面もありました。新たに「社会資本」など、分からない点も発見してしまいましたが(汗)ですが、私ばかりが悪い訳じゃないと思いますよ?この章に関しては。今回は、<シタン先生の声(問題意識)>の中でもちょくちょく毒を吐いてしまったかも知れません(苦笑)

よし!!次のレビューも頑張りますか!!

今日も読んで下さってありがとうございました☆それでは♪


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お疲れ様です。久しぶりにコメントして見ます。

私は「政治に関心がないのは、政治が我々の政治に関連しているという意識が薄いから」という立場に立っている

この主張は、私もそうだと思います。
パットナムの主張が何かは呼んでみないと分かりませんが、少なくとも今の日本において政治意識は弱いと
思います。それをどう構築するかが課題なんだろうと思います。

議論を共有することが出来ましたので書き込んでみました。
福岡のオリンピック問題も政治直結している意識よりも、スポーツが面白いという意見に流れないと良いのになあと思います。

シタン先生もリアルな政治を考えておられますね。


はらださん。お久しぶりです☆

>>私は「政治に関心がないのは、政治が我々の政治に関連しているという意識が薄いから」という立場に立っている
>この主張は、私もそうだと思います。
>パットナムの主張が何かは呼んでみないと分かりませんが、少なくとも今の日本において政治意識は弱いと思います。それをどう構築するかが課題なんだろうと思います。

すみません、誤字があります。
誤「我々の政治」
   ↓
正「我々の生活」
とする予定でした。ですが、要は、政治というものを我々は意識していないという点では、やはりはらださんと議論を共有できると思います。

>福岡のオリンピック問題も政治直結している意識よりも、スポーツが面白いという意見に流れないと良いのになあと思います。

「我々」を含めて、そのような一見すると分からないところにも「政治」というものが関連している、と言うことをもっと知ることができたらなと思います。それができたら、「我々」を取り巻く状況も変わるのかも知れませんね。

>シタン先生もリアルな政治を考えておられますね。
ありがとうございます(^^ 
本を読むだけが政治の勉強ではないですからね。

ではでは、コメントありがとうございましたノシ
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