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『ファシズム』レビュー

こんばんは、シタン先生です。


ここ最近、回復と悪化を繰り返していた風邪ですが、先週水曜の発表のあと学校を休まなきゃいけなるほど酷くなってしまいました…。

幸いにもインフルエンザではなかったようですが、やっぱり辛いですね^^;

今は薬をのんで少し落ち着いた状態です。


今回は久しぶりに専門書のレビューにチャレンジします。といっても、ご理解頂ける人があまりいないところが辛いところですが…。

では、いってみましょう。


山口定『ファシズム』岩波現代文庫、2006年。


<本書の紹介>
これまでの一連のファシズム研究の蓄積を受けて、ファシズムの包括的解明に挑んだ本。この分野ではきわめてメジャーな一冊。


<本書の要約>
「強制的同質化」など、主にファシズムの「機能」的側面からファシズムの解明を試みている。
ポイントとしてはファシズムを上からの保守勢力と下からのファシズム運動勢力との「同盟」があるとし(「同盟理論」)、その上でファシズムを定義するために「思想」「運動」「体制」という三つの分析軸を設定しそれに従って論を展開している。
主な論争における筆者の立場としては、「日本型ファシズム」の存在を肯定し、そして、ファシズム体制を全体主義体制の下位カテゴリとして位置づける「全体主義論」には否定的である。


<本書の意義>
これまでの一連のファシズム研究の蓄積を受けて、ファシズムの定義に挑む試みの草分けともいえる本であり、まずその試み自体がきわめて評価されるべきである。内容面では「同盟理論」と、「思想」「運動」「体制」という分析軸によってそれぞれの観点からファシズムは如何なるものかを、各国ファシズムの比較研究という形で分かりやすく論じている。


<本書の問題点>
本書は「全体主義論」者と「日本ファシズム論否定論」者に対する反論として書かれていたように思われるのだが、実際その試みが成功したとは到底言い難い。

・ファシズムを「機能」面から論じたが故に、共産主義の同様の機能の存在に対して明確な相違点を提示できていない。
※「強制的同質化」機能は、共産主義国家でもあったと評価しうる。

・筆者のドイツを評価軸とした比較では、あえて「日本ファシズム」論を分析概念として用いる意義は見いだせない。
※「同盟理論」を用いると、下からのファシズム運動が226事件以降途絶えてしまった、日本の事例を説明できず単なる保守反動との反論に反駁できない。


<本書の評価>
初めて「ファシズム」概念の包括的解明に取り組んだ本であり、この分野の必読文献である。読む際は伊藤隆氏らと(日本)ファシズム論者との間で交わされた論争を抑えておくと本書の意義と問題点がより明確になる。最終章には筆者の問題意識なども見受けられ非常に興味深い。値段の割に非常にお買い得感のある充実の一冊。


といっても、僕も一人で読んだだけではここまで読み込むことは出来ませんでした。さすがにアマゾンでもレビューはないようです^^;
こういったレビューができるのも、「ファシズム」の専門家が多い本大学ならではの利点です。本当に先生や兄さん、後輩の皆さんには助けられてばかりでした。個々人の研究分野を超えて上と横と下が繋がっている…この環境は本当に得難いものがあります。感謝感謝。

今週末こそしっかり風邪を治して来週に備えようと思います!!


今回も読んで下さり本当にありがとうございました。


ではではノシ


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ファシズム (岩波現代文庫)
山口 定
岩波書店 (2006/03)
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テーマ : 歴史
ジャンル : 政治・経済

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非公開コメント

レビュー、わかりやすいなぁ。こんなレビューを書けるようになりたいわ。参考にします。
それはそうと、山口定『政治体制』の読書はかなり難航してると某先輩から聞いたよ(笑)オレも序章読んだときはさっぱりピーマンやったけど、最後まで読んでなんとなく解った気がしたよ。それでもようわからんところが多かったから、三回どおり読んで、レジュメ二回作って、ようやくある程度理解できたよ。根気よく読んだらきっと面白いから、頑張ってな☆

ひれさん、こちらでは初めまして(笑)

参考にするなんて、そんな大した物じゃないです(汗)山口『政治体制』は序章が一番難しいらしいね…。僕は二度ほど挫折しましたorz
今度こそ読み切ろうと思います!!

ではではノシ
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