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『集団的自衛権とは何か』レビュー

こんにちは、シタン先生です。


豊下楢彦氏の『集団的自衛権とは何か』を読み終えたので、早速レビューしようと思います。個人的な感想としては「濃い本が出てきたなぁ」という印象です(笑)

今回は、ごく一部の方々から「本気レビュー」の要望がありましたので、久しぶりに頑張ってみました(笑)それでも、初期のレビューのようにはいかないのですが。

では、いってみましょう。

豊下楢彦『集団的自衛権とは何か』岩波新書、2007年。


集団的自衛権とは何か (岩波新書 新赤版 1081)
豊下 楢彦
岩波書店 (2007/07)
売り上げランキング: 19392



<本書の紹介・本書の方法論>
日米安保関係の研究としてはかなり新しい部類に入るものと思われる。スタンスとしては、安倍政権の日米安保強化(具体的には、集団的自衛権の強化)及び憲法9条改憲に否定的であり、前述のような立場の主張に反論を加える形で論が展開される。日米安保関係の研究といっても、きわめて現代的な問題関心からアプローチされている。


<本書の要約>
序章「憲法改正と集団的自衛権」
 集団的自衛権について、国際法上与えられた権利であることと、その行使が日本国憲法で禁じられていることは、安倍が言うように矛盾したものというわけではない。

第1章「憲章第51条と『ブッシュ・ドクトリン』」
 集団的自衛権に関して国連憲章51条が定められているが、歴史的な経緯を追った場合、集団的自衛権は「固有の」権利とまではいえない。また、その発動に関しては「武力攻撃の発生」が必要であるが、それもアメリカなどによって拡大解釈される傾向にあり、もはや先制攻撃論とも言える。

第2章「第1次改憲と60年安保改定」
第一次改憲の動きにおいては、改憲が「駐留軍の撤退」とセットにされていた。見方を変えれば、日米安保の中で日本は「アメリカ軍の日本駐留」(「極東条項」)を容認することでアメリカに充分に貢献しているといえる。その点も考慮されてか、当時、日米間の「集団的自衛権問題」は棚上げされ、憲法9条で集団的自衛権が厳しく制限されている状態を政府自身が認めていた。
※第2章の要約については、あまり自信がないです…。

第3章「政府解釈の形成と限界」
中曽根政権以後、日本は「安保再定義」などを通じて、日本は「集団的自衛権」を認めるべきだとするアメリカの圧力に晒された。そして米軍と自衛隊の一体化、日米戦略の一体化が次第に進展しつつある。

第4章「『自立幻想』と日本の防衛」
イギリス・ブレア政権などを見る限りで、安倍氏らの考えるような、集団的自衛権を行使することで日米が対等になるという議論は成り立たない。また、アメリカ側もそのような対等性を認めるのかは疑問であるし、実際、日米安保の枠組みの中でアメリカに対してどれだけ「ノー」と言いうるのかも疑問である。また、日本に劣等感を抱かせる「核の傘」という論理であるが、現在アメリカが日本に求める「ミサイル防衛」への参加は、そもそも核の傘が機能しなかった際に有用なのであって、その点から「核の傘」「ミサイル防衛」は基本的に矛盾したものである。また、「ミサイル防衛」の実効性にも大いに疑問である。
現在、一般に日本にミサイル攻撃を仕掛けると言われている北朝鮮、そしてイラク・イランなどの「悪の枢軸」論であるが、この議論にも二つの誤りがある。
①自爆テロを敢行するするテロ組織と「主権国家」を、「主体」として混同する。
②あらゆるテロ組織やテロ活動を、アルカイダと同等に扱うところ。

第5章「『脅威の再生産』構造」
アメリカの「敵の敵は友」という短絡的な戦術は、結果的に新たな「脅威」を再生産している。イランとイラクとアメリカの関係がとりわけ象徴的である。現時点での国際・軍事状況に鑑みれば、現在最も危険なのはアメリカと協力しているパキスタンである。

第6章「日本外交のオルタナティブを求めて」
日本の「国際貢献」であるが、それは武器輸出三原則をもとにした、武器輸出規制への国際的イニシアチブという形を採るべきである。そして、核武装による日本の自立論であるが、これはNPTからの脱退を意味し、国際的な不安定化をもたらす点で危険である。また、核武装論の念頭にあるのは北朝鮮以上に中国であると思われるが、これについては「ニクソン・ショック」の事例を考えなければならない。日本が日米安保という枠組みの呪縛によって、アメリカに振り回される可能性がある。これからは、誰が「敵」で何が「脅威」かを自らの見識で設定し、戦略を練り上げることが必要である。テロの時代となったものの、現在の日米安保に内在する論理は、旧態依然とした「共通敵」の発想なのである。


<本書の長所>
・一般にテレビなどで行われている議論よりもかなり深い考察がなされている。論旨明快。また、その議論もある程度の反論を想定して書かれており、読者の理解が進むように工夫されている。

・本書の主眼である「安保強化・9条改憲」論者(「親米保守派」)批判には、かなりの程度成功していると思われる(例えば、「安保強化」と「9条改憲」の組み合わせの矛盾など)


<本書の短所>
・「安保強化・9条改憲」について批判する豊下は、その一方でオルタナティブであるところの「安保破棄・9条改憲」論者に対しても「狭隘な道」と否定的な論を展開するが、「安保強化・9条改憲」論者に対する反論については若干、論の勢いが弱くなっているように思われる。これは、「安保強化」と「9条改憲」がセットになると言うことの矛盾を突くことに大部分を費やしてきた本書の弱点の一つではないか。

・多分に無い物ねだりな観があるが、昨今の国際情勢を論じる際に「テロ」という、非国家アクターを強調する一方で少なからずアメリカに対して批判的な国が集まる「上海協力機構」という国家アクターの集合体の動きが捨象されている。

・おそらく資料的制約故と思われるが、首相になってからの安倍の言説と、それ以前の安倍の言説には質的に変化があったという反論があり得るのではないか。例えば、村山富市元首相も社会党から出た首相であるにも拘らず、首相になった後に「自衛隊」を容認した。


偶然、とある掲示板でこのブログの紹介がありました。

私はどうやら「リベラル派のオタク」だそうです。

さて、みなさま、当たってますでしょうか?オタクというのは確実に当たってますけどねw


ではではノシ


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ジャンル : 政治・経済

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