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『日本の「ミドルパワー」外交』レビュー(その3)

こんばんは、シタン先生です。


そろそろ、こっそり読書レビューを再開しようかなぁと^^


それでは、復活第一弾の今回は添谷芳秀氏『日本の「ミドルパワー」外交』をレビューします。

以前、ちょこっとレビューしていたのですが、今回は本書全体のレビューを行います。


では、いってみましょう。


添谷芳秀『日本の「ミドルパワー」外交--戦後日本の選択と構想』ちくま新書、2005年。



<本書の目的>
※「まえがき」から抜粋
 「憲法9条と日米安保条約を二本柱とする吉田路線に支えられた戦後日本外交は、平和主義と伝統的国家主義の双方から挟みうちにされてきた。それは、左右のイデオロギー的立場が日本外交のそれぞれ異なった側面に異なった理由で反発するという構図にあった。その結果、両者の中庸に位置する日本外交の足下をみつめた、等身大の戦略論が育たなかったのではなかろうか。本書は、そんな問題意識から、戦後日本外交の実像が『ミドルパワー外交』にあったということを論じ、そこから日本外交の将来構想を描こうとする試みである」

 戦後日本外交を規定した吉田路線によって、日本外交に関して「平和日本」(「左」の立場)と「大国日本」(「右」の立場)という、分裂した国家像(「二重のアイデンティティ」)があることを明らかにし、それを解きほぐすための方策を与える。



<分析概念の説明>
「パワー」(国際政治における)…現状に何らかの影響を与える力を持っている国家のこと。「スーパーパワー(超大国)」、「グレートパワー(大国)」、「ミドルパワー(中級国家)」、「スモールパワー(小国)」の四種類がある。
 
※本章から抜粋
ミドルパワー…たとえ一定の力をもっていたとしても、「大国」のような一国主義は放棄し、「大国」が繰り広げる権力政治の舞台からは一歩身をひいて、「大国」外交には本来なじまない領域(たとえば多国間協力)においてこそ重要な影響力を行使する。

ミドルパワー外交…大国が規定する国際システムを所与とし、かつ大国との全面的対立を外交上の選択肢として放棄しつつも、それ以外の領域で一定の主体性を保持する外交。



<シタン先生の感想>
 戦後日本外交の通史を左右に極端に片寄らず、かつ資料に依拠して精緻に描き出している点は大きく評価できる本書の意義である。

 しかしながら、本書を通底する分析概念である「ミドルパワー外交」が戦後日本外交をどれだけ描き出しているかは疑問である。例えば、ミドルパワー外交の一例として日本によるASEAN援助(具体的には、ASEANと日本で協力して中国を牽制する)があるが、これはミドルパワーでなくとも国家の選択肢の一つとしてあり得るのではないだろうか。また、氏は戦後日本外交を一貫して「ミドルパワー外交」と位置づけているが、冷戦崩壊という外交上の一つのパラダイムシフトが起こったにも拘らず、相変わらず「ミドルパワー外交」概念が適用できるかの判断は本書を読むのみでは慎重にならざるを得ない。

 そして、氏は日本外交の今後も「ミドルパワー外交」であるべきと主張する一方で、「二重のアイデンティティ」を解きほぐすべきとする。しかしながら、氏は東南アジア外交の部分で、「ミドルパワー外交」の萌芽の前提は「二重のアイデンティティ」との旨記述しており、論理矛盾を引き起こしかけている。筆者の中でも本書の分析概念である主要な二つの分析概念を扱いきれていないとの印象を受ける。さらに付け加えるならば、筆者は「二重のアイデンティティ」の解消の一手段として「改憲」を主張するが、論理内在的な反論として「ミドルパワー外交」を支持する以上「護憲」派を擁護する結果になってしまう。
 
 本書では吉田路線が戦後日本外交を規定している旨書かれているが、それにもある程度慎重であるべきである。鳩山・岸・中曽根など吉田を批判していた者も又政権に就いており、また、あまりにも吉田路線を前提とすると細かい外交次章を見落とす可能性も否定できない。



<オススメ度>
 新書であることを考えるとかなりお買い得ですよ^^



久々のレビューでかなり緊張しました(笑)でも、楽しかったです。筆者の姿勢には共感を覚えました。

 今回も読んで下さりありがとうございました☆それでは♪(久々だなぁ 笑)


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日本の「ミドルパワー」外交―戦後日本の選択と構想
添谷 芳秀
筑摩書房
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テーマ : 外交
ジャンル : 政治・経済

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私の音楽サイトで
こちらの記事を紹介させて頂きましたので
ご連絡させて頂きました。

紹介記事は
http://blog.livedoor.jp/billionaire17/archives/50880613.html
です。charset="Shift-JIS"></SCRIPT>

シタン先生お疲れさまです!
今更ですが、シタン先生は外交がお好きのようですね。ちなみに僕は、内政好きです。
ですから、外交は疎いんですが、北朝鮮問題に日本はどう接するべきなんでしょうか?
今日テレビで町村さんがしゃべってましたが、回答にならないことばかり言って意味不明でした。

あと、また飲み会しましょう☆☆ニューはらだ家にご招待しますよ~♪

>バンドマンさん

初めまして☆
ですが、音楽サイトで紹介ですか…。取り上げて頂く分には一向に構わないのですが(笑)

>はらださん
指摘されて自分の本棚を見てみると…そうですね。外交関係の本が圧倒的に多いです。はじめて気づきました(苦笑)北朝鮮については次回の記事にしようと思います♪
ではでは、また飲みましょう☆
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