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『日本の「ミドルパワー」外交』レビュー(その2)

こんばんは、シタン先生です。


はい。結局、また記事を書いちゃいました(笑)

冬休みですが、シタン先生は基本的に今の今までのんびりと過ごしておりました。

時間の許す限り、ひたすら本を読みまくるという天国のような生活を送っていました(一昔前の自分だったら絶対にそうは思わなかったでしょうね 苦笑)。

…そろそろ、本気になって論文に取り組まないといけませんねorz


今回も、添谷芳秀氏『日本の「ミドルパワー」外交』第1章をレビューします。

では、いってみましょう。

添谷芳秀『日本の「ミドルパワー」外交――戦後日本の選択と構想』2005年、ちくま新書。


第一章「戦後日本の再生――吉田路線の真相」

<本章の要約>
 吉田路線の一つである憲法9条は、冷戦の前に締結されたものである。しかし、その後の日本は、国際政治が二極化する趨勢に翻弄された。その中で結ばれた日米安保は憲法9条とは共存しがたく、「日本社会の分裂と日本外交のねじれ」という状況を生じさせる。そして吉田路線の定着とは、このような状況の構造化でもあった。

 戦後日本の指導者は、戦勝国主導の国際秩序に復帰することで国家を救い、日本を再生させると同時に「国体護持」にこだわった。アメリカがこの「国体護持」を認めたが、その一方でアジア諸国にとっては、天皇制こそが軍国主義日本の象徴であった。それゆえ、軍国主義日本の亡霊を断ち切るためにも徹底した非軍事化が求められ、結果として憲法9条が生まれた。 そして、吉田は主権の回復と日本の復興を優先する立場から、憲法9条について防衛の戦争をも否定したが、その後の芦田解釈によって自衛の目的のための軍備は合憲とされる政府解釈が生まれる。

 上記のような状況を一変させたのが冷戦である。冷戦以前のアメリカは、日本ではなく中国(蒋介石政権)を中心としたアジア秩序を構想していた(「中国大国論」)。それは、冷戦後勃発して、共産党政権が優位になった後もしばらく変わることはなかった(「中国のチトー化」。具体的には「台湾放棄」宣言と「アチソン・ライン」の発表)が、アメリカはその一方で、日本の「反共の砦」化を進めるようになる。結果、対日政策の転換がなされた。これをアメリカの「裏切り」と考えた日本の人々の中では、反米主義が戦後平和主義の重要な一部となる。しかし、吉田はあくまでも憲法とアメリカの両方を取ろうとした。この選択は一種の現実主義「戦後リアリズム」を反映と言える。

 当初は「中国のチトー化」の可能性もわずかながらに残されていたであったが、それも予想外の朝鮮戦争の勃発によってなくなってしまう。そして、朝鮮戦争が予想し得ないものであったのは、朝鮮半島の持つ地政学的特徴(「信託統治構想」)ゆえであり、アメリカとソ連間の認識のズレゆえでもあった。

 その頃、日本国内は「全面講和」論が高まっていた。しかし、日本防衛をアメリカに委ねたい日本政府と、冷戦の中で日本の持つ戦略的重要性に着目したアメリカとの間の利害が一致し、日米安全保障関係が模索されるようになる。そして、アメリカの日本に対する再軍備要求を基本的には受け入れない代わりに、アメリカの日本駐留が権利であるとする論理を受け入れることになった。かくして、吉田は憲法9条と日米安保のねじれを甘受することになったのであるが、その条約は対等性に欠けるものであった。そのため、対等性の確保はその後の政権の大きな課題となっていく。このように、「日本にとっての不幸は、戦後日本外交の基軸となった憲法9条と日米安保条約を、全く異なった国際政治情勢の中でそれぞれに不可避のものとして選択せざるを得なかったこと」にあった。吉田はひたすら「護るべきものを護る」態度をとり続けたのである。


<シタン先生の評価>
 戦後の流れは非常に分かりやすい。また、本書では「日本社会の分裂と日本外交のねじれ」が生じるに至った背景を的確に描き出している。ただ、その一方で彼が使う用語である「吉田路線」や「ミドルパワー」が、分かりにくくなってしまったのも事実。おそらくそれは、それらの用語を事前に十分説明できていない(説明していたとしても、途中で指す意味が変化してしまっている)ことが原因と思われる。ただし、全体的には分かりやすく、憲法9条問題に関心がある人も入り口として是非読んで欲しい章である。


今年のレビューはこれで終了です。皆さん、お疲れ様でした。

来年も分かりやすいレビューを心掛けていきますのでよろしくお願いします。


今回も読んで下さりありがとうございました☆それでは、よいお年を♪


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日本の「ミドルパワー」外交―戦後日本の選択と構想
添谷 芳秀
筑摩書房
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テーマ : 外交
ジャンル : 政治・経済

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